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目の前に広がる赤い海。
両手に握った二挺の拳銃。
掌に顔に、飛び散ってこびりついた敵の返り血。
目の前にあるもの──死体、死体、死体。
額を撃ち抜かれ、目を見開いた恐怖の表情のまま倒れた男。
蹴りを喰らって、もとの顔かたちが分からないほど無残に赤く腫れ上がった顔を持つ男。
ここにいる死体は、三十五人。
「…………っ」
わけもなく寒い。
──また、俺は人を殺して。
──罪にされない罪を犯したんだ。
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