ドッペルゲンガー

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オレは次の日、良夫と健太を家に呼び出した。理由は、奴のこと。最初は黙って聞いていたが、だんだん顔が笑いを堪えるのに必死になってきていた。     「本当なんだって」     全てを話し終えたオレが信じてもらうように2人に言う。     「じゃあプールで見たお前も、その……」   「ドッペルゲンガー」   「そうそうそう。ドッペルゲンガーだって言うのか?」   「だからそう言ってるだろ」   「どうも信じられん」     やっぱりダメだったか―――     「じゃあ、オレを見かけたらすぐにオレに電話をしてくれ。それで、もしオレが電話に出てもお前らの前にいるオレが電話にでなければそれはオレじゃない」   「ん………?まぁよくわからないけど、お前を見かけたら電話をすればいいんだな?」   「そうだ」   「ΟΚ。わかったよ」   「頼んだ」     こうしてオレは2人の協力を得て、奴を捜し出すことにした。                           そしてその日の夕方、健太から電話がかかってきた。
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