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公園の前には健太が待っていた。
「早かったな」
「あぁ」
かなり飛ばしてきたから汗の量がすごい。
「あそこだ」
健太が指差した方にオレは視線を向ける。
「オレ………だ」
そこには、ベンチに座ったオレがいた。その瞬間オレの中で怒りと恐怖が渦巻いた。
今まで、よくもオレをバカにしてくれたな―――
でも、あれはオレであってオレじゃない。会ってしまったら、オレは死ぬ―――
そんな中でもオレは一歩づつ奴に近づいていった。
オレと奴の距離が残り数メートルという所で、奴が、オレに気付きこっちを向いた。
ヤバい――――
恐怖が一気に込み上げてくる。
奴は…………笑っている。不気味な位オレに似ている。いや、実際オレなんだが。
そして奴はオレの目の前で、スーっと消えていった。
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