ドッペルゲンガー

2/15
71人が本棚に入れています
本棚に追加
/95ページ
8月5日 セミの鳴き声が網戸の向こうから聞こえてくる。オレの部屋は2階にある。だから1階よりも風は入ってくるし扇風機も回っているからそこまで暑くはない。     「終わった…」     今日の分の夏休みの課題を終わらせた。時計を見ると午後12時を少し回ったところ。     「飯、食うか」     1階に下りて冷蔵庫に入っているそうめんを取出し、机に置いた。キンキンに冷えたそうめんを食べながら午後の予定を考える。     「良夫と健太とプールに泳ぎにでも行くか」     2人にメールを送る。返事はすぐに返ってきた。   『すぐにでも行こうぜ』   だと。           2階でプールに行く準備をしていた。ふと、開けてあった部屋のドアをチラりと見るとドアの前を黒い影がスッと通った…   (ん?誰かいるのか)   廊下を見るが誰もいない。気のせいだったのか。       その時はあまり気にも留めずにすぐに家を出てプールへ向かった。
/95ページ

最初のコメントを投稿しよう!