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教室のドアは閉まっていた。
ここに奴がいるのか…
心臓が変にバクバクしている。オレはゆっくりとドアに手をかけた。
「ふぅー」
1度深呼吸をし、気持ちを落ち着かせる。
「よし」
ドアを開ける準備は整った。心の中で「せーの」と声をかけ、ドアをおもいっきり開けた………
「え?」
そこには、黒い影がいた………顔はないがたぶん、オレのことを見ている。
オレの心臓がまたバクバクしている。というより、血が逆流している感じ。この世ではありえないモノが、今、オレの目の前にある。
なんなんだよ、こいつ―――
黒い影が、ゆっくりとオレに近づいてくる。それに合わせて、オレは後ろに下がる。
「来るなよ…」
奴に聞こえるはずもないのに、オレは呟く。
「来るなって…」
オレはとうとう壁にぶつかった。奴は目の前で止まる。そして、ゆっくり、オレにその黒い手を近付けてきた。
「やめてくれぇー!!!」
オレは恐怖のあまり目を閉じた。
あれ?―――
襲ってこない?オレは恐る恐る目を開けた。
そこには、黒い綺麗な石が落ちているだけだった。
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