ドッペルゲンガー

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なんだ、この石……   オレは戸惑いながらもその石を拾い上げた。その瞬間、オレの脳に誰のものかもわからない記憶が流れ込んできた。     「うっ…」     気持ち悪い。なんなんだ、この記憶は。オレはすぐにその石を捨て、踏み潰した。石なのにもかかわらず簡単に砕けてしまった。                   家に戻ったオレはずっと机の前で座っていた。今までのことを思い返す。     「やっぱり、ドッペルゲンガーなのかな」     急に不安が押し寄せてくる。でも、オレに会ったわけじゃない。まだ奴は黒い影だった。これからだんだん奴はオレになってくるだろう。そう思うと―――     「怖い。怖い怖い怖い怖い怖い」     奴に会わなければ… 会って、存在を消してやる。                             オレはその夜、あの嫌な記憶の夢を見て、恐怖で何度も起きてしまった。
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