71人が本棚に入れています
本棚に追加
なんだ、この石……
オレは戸惑いながらもその石を拾い上げた。その瞬間、オレの脳に誰のものかもわからない記憶が流れ込んできた。
「うっ…」
気持ち悪い。なんなんだ、この記憶は。オレはすぐにその石を捨て、踏み潰した。石なのにもかかわらず簡単に砕けてしまった。
家に戻ったオレはずっと机の前で座っていた。今までのことを思い返す。
「やっぱり、ドッペルゲンガーなのかな」
急に不安が押し寄せてくる。でも、オレに会ったわけじゃない。まだ奴は黒い影だった。これからだんだん奴はオレになってくるだろう。そう思うと―――
「怖い。怖い怖い怖い怖い怖い」
奴に会わなければ…
会って、存在を消してやる。
オレはその夜、あの嫌な記憶の夢を見て、恐怖で何度も起きてしまった。
最初のコメントを投稿しよう!