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とあるホテルのロビーでは防衛省のお偉いさんや、警視庁やらFBI、CIAなんて所から来た外人の長官やらがわんさか来る会合が開かれて居た。
勿論、そこには公安局も誘われているわけで…
「あ、居た居た…。」
「……警視総監殿」
50代前半と思われる中年男が、若くて整った顔の美形に話し掛けた。
「今回は来て頂けてるんでしょうな?副局長殿?」
「ええ、ちゃんと来ているのでご安心を。前回みたいにすっぽかしたりはさせませんので。」
そう愛想笑いをすると、警視総監は頬を少し赤くさせ「だといいがな」と言って去って行った。
「……チッ、汚い狸じじいが。」
「副局長、本音がだだ漏れです。抑えてください。」
そして、副局長に話し掛けた男は公安局第一部隊所属、幹時久(みき ときひさ)。
「寺鎚副局長はすぐ顔に出るんですから。」
「局長程ではない」
「局長は別格です。」
「それより、局長はまだか?」
「さっきついたばっかなんですよ。それで今赤根が着替えさせてます。相当駄々捏ねてる様ですよ」
「全くあの人は……」
そして溜息をつく、公安局副局長の寺鎚翔(てらづち しょう)。黒く少し長めの髪にかなり整った顔立ちの長身美形だ。
同じく幹も長身美形で、色素の濃いダークグリーンの髪に男前な顔だ。
「赤根の言う事を素直に聞くとは思えないが…」
「俺もそう思います。だから心配で覗いたんですけど…赤根が無理やり脱がそうとして局長が鉄膝を喰らわしてました。そんで赤根ノックアウトです。」
「意味ないだろ!…役に立たないな…。」
そして寺鎚は深い溜息をつく。すると、扉がガチャ…と開いた。
その瞬間、誰もがその扉の方を見詰める。誰が来たかは大方予想がつく。
「あ、来たみたいですね」
「……ふぅ」
扉から現れた人物を見て会場に居る人達は少しざわついた。
「久々に顔を見せましたな。公安局局長は。」
「そうですね。ですが…いや、しかし。相変わらずお綺麗で。まるでフランス人形のような美しさだ。」
「それにあの瞳。まるで宝石のルビーのようだ。」
口々にそんな話が聞こえる。ああ、局長。そんな顔を明らか様に嫌そうにしては…。まあ今に始まったことではありませんが。
そして寺鎚は局長の元へ急ぐ。そして、
「お久しぶりです、
八王子湊兎局長ーー」
そして、綺麗な顔が私に向いた。
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