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赤が薄くかかったキャラメル色の髪。
深く透き通る程綺麗なワインレッドの瞳が不機嫌そうに細くなって寺鎚を見据える。
「何が久しぶりだ。毎朝毎晩メッセージ送ってきやがって…。」
「そうでもしないと、今回の会合をすっぽかさないか心配だったので。」
「あのメッセージさえ無ければ今頃アイツと飯でも食ってたよ。」
「ていうことはすっぽすつもりだったんですね。…湊兎局長、そのアイツというのは…」
「分かってる。そいつが俺の友達だってことも俺の正体も知られてない。無駄な心配するな」
「ならいいですが。覚えておいて下さい。もし、これから先何かが貴方の弱味になり邪魔になると私が判断したら…私はそれを最優先で排除します」
「………大丈夫だ。しつこい」
「分かってくだされば結構です」
そう…貴方は完全無欠の脅威で無ければならない…ーー
「局長ー。赤根はどうしたんですか?」
「ん?幹か。赤根なら…」
クイっと親指を後ろにさす湊兎。その後ろにはゾンビのようにお腹を抑えて歩いて来る赤根の姿があった。
「…きょ…くちょー!…酷いっすよ…!」
「知るか。俺の部下ならそれくらい平気でいろ。」
「んな無茶なぁ…!」
「赤根大丈夫?」
「幹ぃ…!」
「幹、無視しろ」
「はい」
「幹ー!?!?酷いっす!」
「だって、局長命令は絶対ですから」
「うわあーん!!」
キラキラした眼差しから一気にくらい表情になった赤根。
赤根可威(あかね かい)は湊兎より少し高いくらいの身長と、赤い髪でやんちゃ系美男子。赤根も公安局第一部隊所属だ。
「寺鎚、第一部隊はこれだけか?残りの三人は…」
「そのうち一人なら先程から貴方の背後で悶えています」
「知っている。だからあえて視界にいれていない。」
「それは逆効果では…」
そして湊兎は渋い顔をした。
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