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その背後で悶えているという美青年の名前を乞灘弘霧(こなだ ひろむ)と言う。これまた長身美形で藍色の髪にモデルの様な美形でこれも公安局第一部隊所属。
しかし少々性癖に難があり、
「ああぁん!局長に無視されてるだけで逝ける!もっと、もっと蔑んだ目で僕を見て!!」
生粋のドMだ。
「局長…どうしてあれを第一部隊に?」
「有能なのは確かなんだ。ただあの性癖さえなければ…まだ良い…」
「ぎょーくーぢょぉお…」
「………弘霧、非常に鬱陶しい。今からその口黙らさないと…お仕置きだ」
「えっ…局長…そんな…そんなそんなお仕置きだなんて!!してぇ!お仕置きぃぃ!」
「………どこで間違えた」
「全てです」
怒るつもりが更に乞灘を興奮させてしまった湊兎。その時、激しく誰かを思い出していたのだった。
そう言えば副会長もドMだったな。何でだ。俺はドMを引き寄せやすいのか?
「赤根、取り敢えずそいつ黙らせろ。」
「ういっす!」
そして赤根はガムテープを何重にも重ねて乞灘の口に貼った。
それから会合の始まる時間が近付いて来て、それぞれの組織のトップの人が前に並べられた椅子に座る。その先頭には湊兎の姿があった。
全身黒のスーツに身を包んだ湊兎は、キャラメル色の髪とワインレッドの瞳が強く引き出されていて、普段よりも幾分美しく見えた。
「なんか局長…ああいう黒のスーツだと、いつもより一層綺麗っすよね。」
「普段は普段で厄介なくらい美人なんですけどね…。黒が似合うというんですか…。」
幹はチラと隣の寺鎚を見る。そして青ざめた。というか分かっていた事だったが。
周りの局長を見る目に…あの人を綺麗だ、とか美しくなった、とかいやらしい目で見てたり言ったり思ってたりする人達に腹を立ててるんだろうな副局長は。
額に青筋がクッキリ、それに顔もお怒りお怒り。
(副局長は局長LOVEですからねぇ。局長ー…その溢れるフェロモン余り出さないで下さいねー…)
そんな幹の願いは虚しく、前に座ってる湊兎は眠いのか段々ウトウトしたり…可愛い仕草をしている。
「…………チッ…」
そしてまたそれで寺鎚のイライラが増した。
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