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「よぉ」
「……ジャックか」
舞台を降りると、金髪の美形が湊兎に近づいて来た。
その金髪の美形、ジャックは不機嫌面な湊兎の肩をグイッと引き寄せる。
「おい、離せ」
「久々の再会だろ?お前が日本に帰ってからすっごい暇なんだぜ?」
「俺の知った事か。…それより、早く離さないと、俺の部下に噛み付かれるぞ」
そう言われ、ジャックが目線を移すと寺鎚が鬼の形相でこちらに向かってくるのが分かった。
「んー…別に平気だし」
と言ってジャックはまた更に密着させてくる。
こいつは、俺がCIAに居た時に組んでいた奴で、何故か懐かれた。俺の今のこの才能は半分CIAで学んだ事が多い。
「……ジャック、暑苦しいんだが。」
「久々なんだ。いいだろ」
「すみません、そこの金髪」
ああ、きた。
「我等の局長に触らないでくれます?」
「これはこれは、副局長。そんなイガイガしてたらモテませんよ?そんなかっこいいのに。」
「必要ありません。はやく離しなさい。いくらCIAのエリートである貴方でも…いう事を聞かなければ…」
「もうよせ、寺鎚。ジャックもつっかかるな。それと、俺は疲れた。こんな会合にはもう出たくない。だから寝る。」
不機嫌面だったのがより増したようで、湊兎はそのまま部屋を出て行った。
湊兎が去った後では、
「相変わらずだなぁ…。そんで、あんたはいつまで俺を睨んでるんだ?」
「………チッ、CIAに一時期局長を預けたのは間違いでした。」
「それより、お前等もこの情報くらいは知ってるんだよな?」
「……マフィアの事ですか?」
「ああ。最近活発になってきやがってる。そしたら湊兎の通ってる学園とやらも暫く行かせるな。」
「勿論そのつもりですよ。あの次男、局長を学園に行かさないと煩くて。局長も渋々通ってるので……。しかもそのせいで局長に…」
「なんだ。」
「………いえ、何でも。では私も失礼します」
……そのせいで局長に弱点ができそうで恐いのですがね…。
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