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それから俺は寺鎚の運転する車に乗り寮へ向かった。 さっきのあの男の言葉。引っかかる。だって、学園では俺は「麻木」という名字になってるし、変装もしてるから分からないはずだ。少なくとも俺はあの王道の素性を見た事がない。王道も変装しているが…俺は都岸涼なんて今まで見た事無かったし…知り合った覚えもない。 だから、何でそいつが知ってるような言い方。どっかのパーティとかで会ったか?そもそも、都岸家は余り表立ってパーティに出ようとしない家だ。…それは俺も同じで余りパーティには出ない。 「なぁ、寺鎚。俺は都岸家の息子に会った事があるか?」 「ボケが早くないですか?記憶力が人一倍長けてる貴方がそんな事を忘れるとは思えませんので、会った事は無いと思います。」 「むかつくな。…しかし、そうだよなぁ…。俺が忘れたりするわけないんだが………」 どっかで見られたりしたのか…又は別の方法で俺の事を知ったか…だな。まあ、今の時代パソコンとかで調べりゃ少しは出てくるし。 「………局長、余り都岸家には関わらないで下さいね」 「好きで関わるかあんな一族。」 「都岸家は影、闇に生きる一族です。国のゴミになると判断したら奴等はそれらを排除する。そのための都岸家。国家に飼われてる犬共です。しかも、都岸家は皆殺人狂というじゃないですか。」 「確かにあれは殺人狂だ。飼い主の忠実とかじゃなく自分の欲の為に飼い主を利用してるようにしか見えないけどな。」 「…そうですね……」 そう。都岸は国家に飼われてる凄腕揃いの殺し屋。国家がゴミと判断したらそれに従い存在を消す。 俺も一度消されそうになったが、俺がそう簡単に消される訳無いだろ。逆に半分以上を返り討ちにしてやった。 まぁ、都岸家が俺を消しに来ると前持って情報を掴んでいたから、CIAや公安局、三部隊全てと…八王子家の雇う殺し屋を全部活用したからな。当然の結果だ。 ま、それはさて置き。今は深く考えない事にしよう。考えたって、きっと特に意味はない。 今の問題は北海道での奇怪事件だったか?それが優先だな。 .
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