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いっくんはホストみたいな外見してるくせに真面目なんだ。口から出る事はほぼ真実。
「だからさ、見にいこーぜっ!」
「おう!……いや、やっぱヤダ……」
「なっ、何で?!もしかして俺に不満でもあるの?!」
「違う!君に不満があるわけじゃない…って今までの会話からどっから出てきた。つい乗っちゃったけど」
「いやいや、てか何で?!湊兎なら喜んでいくだろ!?」
「行きたいさ!俺も見たいよ!副会長と王道転入生のキッスシーン!!でも…!」
あの副会長じゃなければ喜んでダッシュで見にいくわ!
あの副会長は何故か王道ではない…!普通のBL学園小説なら副会長というポジションは腹黒鬼畜だが、この学園の副会長はそうじゃない。
故に会いたくない!
アレに関わるとか死んだ方がマシだ!!
「お願いだよー湊兎ー!行こうぜー?隠れてれば問題ねーだろ?」
「あ、そか。隠れてればいいのか。さっすがたっつん!まだ頭は使えるな!」
「何か扱い酷いけどまあいいや!行こう行こう!」
「ただこれだけは言っとくよ、たっつん…」
「たっつん?」
「あまり副会長に期待しない方がいい…」
「は?」
そう…アレに見つかったら俺はお終いだ。つか、アレは害虫で十分。何であんなんが副会長なんだよ。腹黒鬼畜副会長こいよ。あんなやつ要らねえよ…
俺はちょっと不安を抱え、竜樹はうきうきわくわくの中、部屋を出た。
流石に朝早い今は人が少ない。さ、寮長にバレないようにそそくさ行くとするか。
そして中庭にいる俺達。校門の端に並ぶ並木道の木の後ろに隠れて待機している。
すると、校門の方でガサガサと音が聞こえた。
来たかっ!!!
そこを、よく見ると、ボサボサ鬘に黒い瓶底メガネをした以下にも、変装してますって分かる背がちょっと低い男の子がいた。
くはー!王道だぁああ!
隣の竜樹も目をキラキラさせている。分かる!分かるぜ同士よ!
これで副会長さえ腹黒鬼畜副会長であれば完璧なんだが!
「どーすればいいんだ!?こんなでかい門!!」
そして王道転入生は叫んだ。
ちょ、待て。
ウザキャラかお主wwww乙
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