プロローグ

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校門を出たあと歩きなれたいつもの道ではなく、バイト先への通り慣れない道を走った。 運動は苦手ではないが得意でもないため、普段からあまり運動はしない。そのため、全力で走ったわけではないが5分ほどで疲れて歩くことにした。今度からは運動するようにしないとな。 その後、少し歩いて近道に路地裏を通った時に頭の中に声が響いた。 『龍輔…』 俺の名前を呼ぶ声。頭の中に響くような声は動物の声だ。 顔を横へ向けると、一匹の白い猫がこちらを見ていた。目が合うとその猫は顔を手でこすり、可愛らしく「みゃぁ」と鳴いた。 「久しぶり、ユキ」 俺は動物と会話できる。いつからできたかはわからないけど、気付いたら話せていた。 今はもういないけど、母さんに話したらバカにされたからこのことは誰にも言ってない。 すると、一匹の白い子猫が元気よくユキの後ろから走り出してきた。
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