屈伸運動

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「柿崎くん、放課後勉強教えてくれない?」 「俺も!」 「ボクも」 誰だ君達は? なぜ俺がそんな事せにゃならんのだ。 ん?女子の方は、見覚えがあるぞ。 確か、前回のブルマ戦争の時の、、、 「ね?いいでしょ?」 バカ言わんでくれ、俺は昨日の一件で頭いっぱいだ。それに。 「悪いけど、そういうのはパスで」 「何でよ」 「俺説明ヘタだし、それに、もっと頭いい奴に頼めばいいだろ」 俺は、クラスから孤立してる。 自分からも避けてるし、避けられてる。 友達は尚也しかいない。 逃げるように尚也を引きずりながら、「じゃあ」とだけ残して、コンクリート臭い教室から出た。 「相変わらず冷たいなお前」 「そうか?」 頼んでもいないのに、昨日の授業のノートを二つ即興で作ってくれた尚也のために 自販機とにらめっこする。 何が好きなんだっけ? 「尚也なに飲む」 「なんだ、奢ってくれるのか?」 「ノートのお礼だよ」 コピーすれば良かったのに。 とは言えない。 なぜ同じものを二つ用意してくれたのか謎だが、酸っぱいレモンのジュースのボタンを何度も押してみる。 「コーヒー好きだっけか秀樹?」 「正に苦い思い出だ!」 「なんだ、それ?」 校門を出てから、無駄話をしてたら駅のホームに着いてしまい、そこで尚也と別れた。 「ノートありがとなー」 「おぅ!」 なぜその酸っぱいレモンを飲まないんだ? すっかり、温まってそうな酸っぱいレモンは『ぬる~い』に変化している筈だ。 「お前聞いてるのか?あ?」 なんだ?喧嘩か? と思い振り返ると 「調子にのってんじゃねぇぞ こら」 マジか・・・・ 俺か・・・・
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