屈伸運動

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「おい、昼飯」 「俺は尚也と食うから」 「ならそっちのあんたも来いよ」 向井修一だそうだ。 初対面の尚也もタジタジである 「秀樹いって来いよ…」 「いいのか?」 「たまには一人でのんびり食うさ」 尚也を残して、屋上に修一と向かう。 「尚也は学年トップの優等生だぞ。不良とつるんでたと先生にバレたら厄介だろ」 「・・・・」 「聞いてんのか?」 喧嘩売ってきた時は饒舌だったくせに、なんだこの無口っぷりは。 「おせーぞ!先食っちまった」 「おー来たか秀樹くん」 修一の取り巻き?のような二人がふてぶてしい態度でこちらに 言ってくる。 「いやー、この間は誤解して悪かったよ、聡子ちゃんが 泣きそうな顔してたからつい」 聡子ちゃんとは誰だ? こいつは、智彦だそうだ。苗字は知らない。忘れたのか聞いて無いのかも分からない。 もう一人は…なんだっけ 「それにしても、まさかあんな事言うなんて驚いたよぅ」 「頼むからその話はやめてくれ」 「面白いのになぁ」 修一は 何がつまらないのか眉を寄せてポテトパンを食っている 「それ 美味いのか?」 「食うか?」 いやいや・・・・かじりかけを突き出されても… パクッ 「旨いな!」 「お前の弁当も旨そうだ」 「食うか?」 と 厚焼き卵を箸で摘まんで修一の口に 『あ~ん』の口をしながら持っていく 「食わないのか?」あーん パクッ ?なんだ?なぜ箸が取れない。噛んでるのか? 「何やってんだよ、箸返せよ笑」 そういうと、硬かった箸が重力を取り戻す。 「何やってんだお前ら笑」 智彦達が大笑いしながら 俺の弁当箱に指を入れてくる。 「全部くうなよ!」 あれ 俺、なにやってるんだ?
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