知らなくていい

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「秀樹が休みだって??」 「そうよ、昨日様子が可笑しかったから風邪でもひいたんじゃない?」 そう言って手をヒラヒラさせながら、担任は俺を追い払った。 俺のせいか? もしかして、告白に気づいてくれたのかもしれない… いや、 それは無いだろう。 だいたい、 あいつは勘違いしてる。 自分で勝手に孤立してると思い込んでる。 逆だ みんなに好かれてる位だ 目立ちたがらない、ということや、何かに苦しんでいるとみんな知ってる。 だから、学級会議で最後にいつも秀樹を誘っているんだ。 苦しいなら相談しろよ。と 原因は恐らく、あの煩悩ツリーだ。 アレがでると とても苦しそうな顔になる。 どうやら、俺にしか見えないらしい。 あの選択どちらか一方を迫って秀樹を苦しめているためだろう。 俺にはどうしてやることも出来ない・・・・ 残念だが、せめてあいつのためにノートをとっといてやろう。 ・・・・ 出来るだけ丁寧に・・・・
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