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「君が彩奈ちゃんだね?」
先生の別荘に到着早々、智彦が絡んでくる。
「人見知り激しいから、ちかよんな」
ストレスを感じるとアレが止まらなくなる。ハンカチの様なタオルは持ってきたが、衛生面で心配だ。
海辺のそばにある先生の別荘はよく言えば、古風だ。そんな畳臭い部屋が落ち着くのか 彩奈はウトウトしている。
「一番安いやつよ。ワガママ言わないでね」
彩奈のために水着まで用意してくれた先生にお礼をしておこう
「ありがとうございます」
新幹線やら電車やら乗り継ぎを繰り返して到着した頃は、太陽を目に入れても平気な時刻になってしまった。
俺についてきた美佳子が差し入れだと言って酒類をたんまり買ってきていた。
「どうぞ、すいません私まで」
美佳子は子供が嫌いらしく、道中彩奈と会話する事はなかった。
いーえーとかいいながら酒の種類を確かめてる。先生が俺たちにも飲めと言う
「彩奈居るんで俺は遠慮しときます」
「そう」
という掛け声で 乾杯が始まったんだが、俺たち未成年だよな?
「眠くなってきたか?」
「うん」
何とかボンバーのステッキを持ちながら、船を漕いでいたので
「寝かせてきますね」
聞いてるのか聞いてないのか定かではないものの、アハハという声は家中に響いてる。
「暑くないか?」
と
聞こうとしたら、既にグッタリしていた。動く屍の様だ
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