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廃病院屋上。
気が向くままに走って居たら、こんな所まで来てしまった。
この愚かにも等しい行為を行ってしまって、自分に対して嫌気がさしてしまう。
だって屋上って、逃げ場ないじゃん…。
高くなっていたテンションが徐々に冷めていく感覚。
冷静になったら、凄く馬鹿丸出しだった自分。
「まぁ、いいや」
ゆとり世代だから諦めも早いっす。
とりあえず、意味の分からない切り替えの速さに自分でも驚きながらも、戦いに備えて準備をした。
とりあえず持ち物。
「筆箱、ノート、教科書、ペットボトル…」
駄目だ。戦いに役立ちそうな万能アイテムを持ち合わせて居ない……終わった。
絶望を感じながらも、ノートや教科書を服の下に忍ばせ腹に装着。
靴ひもを結び直し深呼吸。
今出来る最善を尽くした。筈。
「おや…」
最後に、辺りを見渡すととても使えそうな道具を見つけた。
消火器。
どこにでも置いてあり、火事を消す事は勿論の事、打撃にも使える鈍器を発見。当たると痛いです。
すかさずそれを広い上げ、そして覚悟を決めた。
「…生き残りますか」
そんな情けない俺を笑うかの様に、冷たい風がひゅーひゅーと流れ込んだ。
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