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「昨日、貰ったメールにあったように…同じクラスで同室なら、藍住君は必然的に斎藤君と行動を共にすると思うんだ。」
皆で斎藤君を見送った後、いつもの反省会で僕は言った。
同意するように頷くメンバー達を見渡す。
「斎藤君は言っていなかったけど、藍住君は副会長様に気に入られてるみたいで…すでに親衛隊に嗅ぎつけられてる。」
僕の言葉に騒がしくなる室内。
そりゃそうだよね、副会長の親衛隊は隊長派と副隊長派に分かれていて、片方が過激派なのは周知の事実。
だからこそ…
「僕は斎藤君の"友達"を守りたいと思ってる。」
皆は?と、聞くと反応は様々で僕もと言う人もいれば、静観すべきという意見もあった。
「静観して何かあってからじゃ遅いんだ。」
僕の言葉に黙りこむ皆に向かい話を続ける。
「僕らのせいで斎藤君はあの子に気に入られ、"友達"がいないんだよ?」
斎藤君の話を集めれば集めるほど浮き彫りになった事。
「守って貰ってばっかりじゃ…僕は嫌だ。」
親衛隊を設立するにあたってする誓約を忘れたように、過激派の制裁は度を越したものが多いと聞く。
震えそうになる手を机の下で強く握りしめる。
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