89人が本棚に入れています
本棚に追加
「?」と頭に疑問符を浮かべている赤土 弥生。そして何を思ったのか強引に僕の手を取った。
「よろしくね!」
「……あ、うん」
そこで気付く、後ろにいるイケメンたちが僕を睨んでいることを。大方、ライバルができたと思い込んでいるようだ。
だが、周りの反応は……
「まさかっ、こんな奇跡が!」
「希望が……一筋の希望が見えたっ!」
「どうやら、顔面を矯正する必要はないようだ」
僕は、いつまで手握ってんだよ!と思いながら、その魔の手から逃げる。
ふぅ、あとで消毒してこなくちゃ。
と、そんなことを思っていると担任だろうか、先生が入ってきた。女性だ。
「はーい、皆席ついてくださいね」
そう先生が言うと、騒がしかった教室も徐々に静かになり、立っているものがいなくなる。
その後は担任の先生が自己紹介をして、僕たちも自己紹介をした。
その時に気付いたんだが、見れないレベル(この世界では絶世の美女)が3人。まぁ、ただの友達としてならやっていける(この世界では美が付くレベル)が大半。
で、ここが重要。僕にとっての美女(この世界ではブス以外の何物でもない)が2人いる。
うち一人は寡黙で、常に本を読んでいるタイプ。もう一人は……うん、オープンなスケベだった。
自己紹介でそれがありありとわかったよ。元の世界のクラスにも一人くらいいるだろ?オープンなスケベで女子に嫌われてる男子。
それがあの子、折田 早苗(おりた さなえ)さんだ。物凄い男子からのブーイングが激しい。
最初のコメントを投稿しよう!