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それとは真逆で、先ほどの僕に話しかけてきた主人公は野太い歓声に包まれた。
あれのどこがいいんだよ、顔ほとんど正方形じゃん。目、ちっさ!離れすぎじゃね?
あと、鼻低すぎだろ。結論、あの顔面はひどい、見れたものじゃない。
自己紹介の時、主人公がこちらを見て顔を赤らめていたのは見なかったことにしたい。
で、あとここ重要だ。
元の世界では、僕は携帯小説を割と読むタイプなんだ。
主人公=赤土 弥生
変態脇役=折田 早苗
これは、間違いないね。で、僕は脇役ヒロインってところかな?
正直、折田さんとは仲良くなりたい。だけど、あの主人公がいる。
叶わぬ、儚い夢だ。うん。
「では、これから体育館に移動するので廊下に並んでください」
おっと、これから入学式のようだ。先生の指示に従って、皆思い思いに席を立って廊下に出る。
「夕、行こう」
僕も、陽翔に促されて席を立つ。
「夕はさぁ、このクラスで誰か……気になる人はいた?」
唐突にそう聞かれる。気になる人か、強いてあげれば2人いるよな。
一人はもちろん折田さん。そしてもう一人はあの寡黙な女の子。
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