89人が本棚に入れています
本棚に追加
と言うか、改めてこの世界は僕の知る価値観ではないようだ。
古典的なボケ?をかましてくれた折田さんを見ながら、しみじみ思う。
そして倒れてしまった折田さんを放っておくことはできない。
できないが、非力な僕じゃ保健室まで運ぶことは無理だ。
「あふぅ…………」
幸せそうな顔をして昇天している折田さんは目を覚ます気配はない。
「夕、どうするの?これ……」
陽翔が汚物を見るような目で折田さんを指差す。
「とりあえず、僕が保健室に運ぼうと思ってるんだけど……」
「えっ!?笹倉君、この折田を保健室まで運ぶって言うの!?こんな気持ち悪いやつ運ばなくていいよ、ほっといて」
僕が陽翔にそう提案すると、先ほどまで折田さんに絡んでいたそこそこ可愛い子(僕にとってブス)がそう言って、折田さんの足を邪魔くさそうに蹴る。
イラッ。
何故か、彼女が邪険に扱われることにムカついた。
「な、なによ……」ポッ
僕はそこそこ可愛い子(僕にとってブス)を親の仇のように睨めつけるようにして近づいていく。
だが、彼女は顔を赤くするだけだ。
「ちょっと、そこ何やってるんですか?」
最初のコメントを投稿しよう!