89人が本棚に入れています
本棚に追加
僕がそこそこ可愛い子(僕にとってブス)を近くで睨みつけていると、担任の先生が騒ぎに気付いたのかやってきた。
「いや、なんでもないですよ」
僕はそう言って、ブスから離れる。ブスが顔を赤らめたって気持ち悪いだけなんだよ。
そう口には出さないが、心の中で毒を吐いていないとやってられない。
なぜこの世界は、醜いものが美しいもの(女性限定)よりも優れているんだ。
ただの醜悪な女が男にもてはやされ、いい気になり、僕に絡んでくる。
君こそが私にふさわしい、とでも言わんばかりに。
頭に乗るな雌豚が。
「先生、折田さんが貧血で倒れてしまったので、僕が保健室に連れて行ってもいいですか?」
「そんなことは男の子がやるのではなく、女の子に任せなさい。ちょっと、そこの子たち手伝ってくれるかしら?」
そう言って、女子生徒数人で折田さんを担ぎ、廊下の奥へと消えて行った。
「夕、ちょっとさっきからおかしいよ?熱でもあるんじゃない?」
「おかしい?どこが」
「ほら、急に……その……折田さん、に……だき、抱き着いたり……」
後半は顔を赤らめ俯き、モジモジしながら話すその様は異様に僕をそそった。
「…………はっ!?」
いかん、こいつは男だぞ?
最初のコメントを投稿しよう!