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のそのそと目を擦りながら上半身を起こす折田さん。
可愛らしく一つ欠伸をしたと思うと、僕を見て欠伸をしたまま固まった。
「おはよう、良く寝れた?」
「………………。」
返事がない、ただの屍のようだ。
ここで僕がやる行動はいくつかある。
一つ目、このまま折田さんの硬直が解けるまで待つ。
二つ目、追い打ちをかける。
どちらがいいだろうか?
追い打ちをかけるとは、具体的には「どうしたの?熱でもあるの?」と言って、額と額を合わせると言うものだ。
よく携帯小説で顔を鈍感主人公が顔を赤らめたヒロインにそうやっているのをよく見かける。
だが、僕は鈍感ではない。偽善的な考えもない。
僕はただ、折田さんの反応が面白いからからかっているだけに過ぎない。
好きだから、からかう……と言うのとは少し違うと思う。
まぁ、ここはそうだな……額と額を合わせるとまではいかないが……耳に息を吹きかけてみるか。
「ふぅっ……」
「うひゃぁっ!?」
可愛い声で鳴くじゃないか。ぐへへ…………おっと、僕はこんなキャラではないはずだ。
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