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そして前の世界だったら、男の胸なんかどうでもよかったのに……この世界ときたら……。
「僕は、絶対にブラジャーなんてしない!」
そう、心に誓っている。
なんか、性転換して転生したわけでもないのに、性転換した気分になるのがこの世界だ。
不思議な感覚。
この世界で、雄々しいやつだなぁ!と男性に言うと、相手は女々しいと受け取るので、変わらず褒め言葉だ。
逆に、女々しい奴=ガサツな奴と言う意味なので、貶すような意味になる。
頭がこんがらがってくるよ。
幸い、この世界の男性は皆一様に体の線が細いので、ガチムチ!ウフン!な人はいなかった。
「と、いけないもうこんな時間か」
鏡に映る時計を見ると、もう家を出なければいけない時間になっていた。
手早く寝癖を直して、顔を洗い、歯を磨く。
普通の華の男子高校生だったら朝時間をかけるんだが……僕は化粧なんかしないから身支度に時間などかからない。
そして真新しい制服に袖を通す。そう、今日から僕は高校生になったのだ。
鞄を持って、いってきます。と言って家を出る。
僕は一人暮らしなので……と言うか、母さんが過保護すぎるので家を飛び出してきた。うん。
ここでも、母さんの過保護がさく裂している。
「鍵穴、何個あるんだよ」
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