89人が本棚に入れています
本棚に追加
ドアノブの上下に何個も並んでいる鍵の数々、こんなにいらねぇだろ。って思うのは僕だけじゃない。
いちいち全部開けたり閉めたりするのが面倒なので、普段は2~3個くらいしか鍵をかけていない。
と、ドアを出るとお隣さんも僕と同じように会社に出勤するようだ。
どうしよう、挨拶した方がいいのかね?ま、近所付き合いも大切だろう。
「おはようございます」
僕は軽く会釈をして、スーツ姿の僕から見たら醜い女性に挨拶する。
すると、彼女は顔を赤らめ、さらに少々どもりながら挨拶を返してくれた。
「おぇ」
誰があんな不細工の顔を赤らめた姿見て得すんだよ。
あぁ、この世界の住人でしたねすいません。
僕は彼女に悟られないように、素早くエレベーターに乗り込む。
広々としたエントランスを抜け、住宅街に出る。
学校までは電車で通わなければならないので、駅へと向かう。
僕を舐めるような視線が纏わりつく。あの不細工な顔をした奴らからだ。吐き気がするぅぅぅ。
で、偶に前の世界で言う逆ナン……この世界だったらナンパと言うものをされる。
「ちょっと、そこの彼? 私といいことしない?」
と、自分の容姿に自慢があるのか不細工な女性が僕に話しかけてくる。正直、同じ空気を吸いたくありません。
最初のコメントを投稿しよう!