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僕がそちらを見てるのに気が付いたのか
「あ、今私目合っちゃった」
「いや、私と目が合ったんだよ!」
「違う、あたしとだね!」
あぁ、やっぱり髪伸ばして根暗で近寄りがたい男子って言う感じにしとけばよかったかなぁ。
これから3年間くぐるであろう校門を抜け、下駄箱に靴を入れ持ってきた上履きに履き替える。
僕のクラスは確か……3組の前に到着して、息を整えてドアを開ける。
教室の女子が息をのむのが分かった。
教室が騒がしい。
五月蠅い。煩わしい。
イケメンだの、守ってやりたくなるだの、アドレス聞いてこいだの……お前らブスは黙ってろ。
おっと、普段の僕はそんなの死んでも口に出さないからね?
腹黒……いや、誰でもこの世界に来たらわかる。
心の中でこれくらい言っておかないと、どうにかなるよ?割とマジで。
僕は、自分の名前が書いてある席に座る。すると、前に座っていた男子が僕に気が付いたのか声を掛けてくれた。
「お、君が笹倉 夕(ささくら ゆう)君か」
机に名前が書いてあったから、それを先に来て確認してたのだろう。
「ん、そうだよ。君は?」
「俺か?俺は小池 陽翔(こいけ はると)だ。よろしくな笹倉!」
「ん、よろしく。僕の事は夕で構わないよ」
「そうか、じゃあ俺の事も陽翔って呼んでくれ」
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