闇と炎と悪意と

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 全く流れが定まっていないで、闇が溢れて来ている。おそらく、封印の紙を剥がされたか破られたか。どちらにせよ、良い状態では無い。  全ての封印が解けていない事が不幸中の幸いか。祠を見れば古い封印の紙が破かれていた。封印だが、紙は紙。古くなれば紙が脆くなる。同様に古ければ弱まる。誰にでも破くのは簡単な状態だった。  ただ、普通は用が無ければ、蔵に近付く者は居ない。また、蔵に軽々しく近付く事はするな、と言ってある。  誰にでも破けるからといって、遊び半分・面白半分でやる事では無い。そこには、間違いなく悪意の意思が見えた。  また、誰の仕業で有ろうと蔵がどういった存在か、解っている水之江の人間がやった事なのは、間違いなかった。
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