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それが自分の望みだった。他の者も一族なら全員がそうだろうと思った。かの女性がいなければ一族の存在意義が無いのだから。
力を持たない男の身が悔しかった。何も出来ない非力な自分に嫌悪した。
だから、何が出来れば、かの女性の役に立てるのか、くる日もくる日もそればかりだった。勉学も運動も心身の鍛練も、何一つ手を抜かずに励んだ。
その全てがかの女性の役に立つ何かになる、と信じて。後年、実際に社会に出られる年齢になれば、人の上に立つ事が向いていたのだろう。大企業に就職をすればメキメキと頭角を現した。また、独立をすれば、経営手腕を存分に発揮した。
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