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3日後
『…この男は妻の恵理子さんと、息子のひろくんを殺害して、自殺したと思われます。』
坂野愛結は自宅で仲間数名とテレビを見ていた。
「しかし…」
仲間の1人はいう。
「お前もよく殺るなぁ」
愛結をみていった。
「…任務ですから…」
冷めた表情でいう。
そう、あの家の主人を殺したのは坂野愛結なのだ。
おそらく、愛結の仲間も殺人犯らしい。
「お前もよく殺人家政婦としていられるなあ。」
「確かに。俺ら人間だから家政夫しても指紋採取でアウトだしな。」
「人間型ロボットですから。」
あいかわらず冷めた表情でいう。
坂野愛結はよくできた人間型ロボット。
坂野愛結を作った坂野博士から殺人組織のABCが奪っていき、坂野愛結は殺人犯となった。
ロボットには指紋がない。いくら近所に聞き込みをしても坂野愛結の指紋は家中探してもみつからない。
みつからなければ証拠がない。
証拠がなければこの事件は…。
「謎のまま」
独りでボソッとつぶやいた。
♪プルルル
プルルル♪
愛結の携帯が鳴り出した。
「はい、坂野愛結です。」
『お前の次のターゲットが決まったぞ。』
どうやらABC組織かららしい。
『今回のやつはすごいぞ』
『俳優の西田純だ。』
西田純…。ああ、あの有名俳優か…。
まあ、関係ない。
愛結はまだ知らなかった。西田純との出会いが運命を変えることを…。
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