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世界の始まり
明るく暗い世界は暗く輝き、空には地球が浮かび足下には地球が転がる。
一つの季節が十秒で過ぎ去り、そのたびに太陽が破裂し誕生する。
月が虹色に濁り、星が降り注ぐ。
それは全ての生命の中で消えゆく生命なのか。
時折大きくなる月が星を呑み込む。
透明な扉の前、一人の少年が立っている。並ぶ複数の様々な模様をした扉。そこに一つ黒く蒼い扉。
「前振りはもう宜しいでしょう。さあ、終わりが始まります。あなたの運命は何を選択するのでしょうか?」
複数の扉の中心に置かれた粗末な椅子。腰掛ける占い師のような格好の女性は足下の小さな黒い地球を蹴った。
「物語の中で一つ一つ出来事が起こるとは限りません。御武運を」
転がる黒い地球は、黒く蒼い扉に止まる。
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