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一日の授業が全て終わり、いざ帰ろうとした時、神永 新平は担任の須藤に呼び止められた。
「おい、神永。お前、職員室にちょっと来い。」
普段は気持ち悪い笑みを顔に浮かべている須藤が真面目な顔をしている。
新平は知っていた。須藤がこのような顔をしていて、尚且つ自分に用がある時は必ず説教が待っていると。
説教は面倒だが逃げて先延ばしにするのも面倒だ。そう思った新平は短くため息をつき、了解でーす。と返事をした。
それを聞くと、須藤は無言で頷いて教室を出て行った。新平もその後を追う。
教師と生徒は別の入り口から入らなければならないという謎ルールのため新平は生徒用の出入り口へ向かう。
ドアに手をかけようとした瞬間、勝手にドアが開いた。知らぬ間に自動ドアになったのかと思ったら中から人が出てきただけだった。
職員室から出てきた人物は見慣れた顏だった。その男は新平に気づくとニヤニヤしながらドアを閉める。
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