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「おい、何の嫌がらせだ宏太。何今から入ろうとしてる人の前でドア閉めてんだ。」
「はぁ?開けたまま喋ったら中に聞こえちまうだろうが。それより新平、また説教か?」
中学からの親友であり、現在は春真高校の誇る特進クラスの会長を務める波瀬 宏太だった。
波瀬は一応疑問形で聞いてはきたが、答えは聞かずとも分かっているようだった。
新平がそうだ、と答えるとまたかよ、と大声で笑っていた。その声が無駄に広い廊下によく響く。
「そういうわけだ。そこ通してくれ。」
新平が宏太の横を通り、再びドアの取っ手に手をかける。開けようと手に力を入れた瞬間、宏太が新平の手首を掴んだ。
「おいおい、今度は何だ?」
新平の問いに宏太はニヤついた顏で言った。
「説教終わったら生徒会室来い。いい知らせがあるぜ。」
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