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「新平。もうお前以外の皆には話したんだがな……。」
宏太が新平を見据えながらゆっくりと喋り出す。周りの連中も新平の方を見ている。
新平は瞬き一つせず宏太の言葉に集中する。
「明日の放課後……合コンがある。」
「へ?」
予想外の言葉に緊張が解けて変な声が出てしまった。職員室前で宏太の言った、いい知らせの意味がやっと理解できた。
「なんだよ宏太、そんなことかよ。だったら皆で楽しもうぜー。」
新平はヘラヘラしながらそう言った。だが、誰も全く笑おうとしない。先程の硬い表情のままだ。
宏太から意表を突く言葉が放たれる。それは新平を貫いた。
「お前は女子側が10人も用意してくれると思っているのか?」
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