王道ってよく考えると都合がよすぎる

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「何の騒ぎだ!」 知らない人を殴ってしまった後騒ついていたギルドに、よく通る女の人の声が響き渡った。目を向けるとそこには赤髪の美人が立っていた。 そして、こちらを見ると真っ直ぐ近づいてくる。 「……アイネか。じゃあそいつが例の?」 近づいて来た女の人はアイネに声を掛けるとこちらを指差した。 「はい」 「ふーん、マスターが呼んでる。着いて来い」 女の人は興味がなさそうにこちらわ見るとカウンター脇の階段に向かって歩き出した。 ・・・ ギルドマスター室前。 コンコン 「入りなさい」 女の人は急に立ち止まりドアをノックすると中から男の人の声が聞こえていた。 ガチャ 「マスター連れて来たぞ」 「ありがとう。君がミリナは少し席を外してくれないかな?」 ぶっきらぼうに言い放つ女の人に笑顔で礼を行った30代くらいの男の人は案内してくれた女の人、ミリナさん?に出て行くように促した。 「………はい」 ガチャ ミリナさんどこか納得していないような顔で出て行った。 「さて、君が勇者君で間違いないかな?」 「はい、天童 秀次です」 ギルドマスターからの問いかけに少し声が上ずった。 「話は国王様から聞いてるよ。僕は、バク・カリナス。ここのギルドマスターをしている。さっそくだけど魔力と属性を調べよう」 バクさんは隣の部屋に「ちょっと待っててね」と言って行ってしまった。
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