【第一章】

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純一はまだ状況を飲み込めないでいる。 田辺は純一の様子を窺いながら次の話すタイミングを待っていた。 純一はタバコの煙りを大きく吐き出すと何かに気づいたように喋り始めた。 「慎吾が死んだって、何でナベさんが俺に言いに来るんだよ。いつ死んだんだよ。慎吾、誰かに殺されたのかよ」 田辺は何かを考える様な仕草で少し俯き右手の親指と人差し指で白い毛が混じった眉毛を摩っていた。
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