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純一はノートパソコンを閉じてソファに座りこれまた日課のコーヒーとタバコでくつろいでいた。
フロントからの電話。
「くそ、なんだよ」
「萩原様、フロントに田辺様がお越しになっておられます」
田辺とは今年で55歳になる鳴川警察署の刑事である。純一は過去に何度か世話になっていた。
「はい、はい、今降りますよ」
純一が降りると田辺はソファに座りタバコを吸っていた。
くそ、俺のタバコとコーヒータイムを邪魔しやがって、おっさんがロビーのソファに座って喫煙タイムかよ…
「今日は何の御用ですか、老いぼれた刑事さんが」
「こんな時間に悪いなぁ。お前も吸うか?」
田辺は昔から愛煙しているハイライトを純一の前に差し出した。
「いらねぇよ、そんな古臭いタバコ、それより用事はなんだよ」
「そう、せかすな。タバコくらいゆっくり吸わせろ」
純一はそっくりそのままその言葉を田辺に返したいと思ったが火に油で余計、部屋に戻る時間が遅くなると思い顎をガクガク左右に動かし言い返すのをやめた。
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