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『電話、嫌い?』
『ん?あぁ、まあね。
“間”や沈黙がね。
だいたい電話好きな男なんて、いないだろ?』
意外にも硬派な一面かなと内心思ったけど、電話が苦手なのはわたしも同じだから。
『わたしも苦手かな。』
正直に伝えると
『だったら・・・』
ついさっきまで口数がいつもより多かったような気がした彼が急にワンテンポ間をとった。
『なに?』
『だったら・・・やっぱり直接会おうよ。
元気に、なったんだろ?
ハーブティも渡したいし。』
あ・・・ハーブティ・・・
用意して、くれたんだ。
ハートに温度があるなら確実に上昇してるだろうというくらい心拍数が少し、上がった気がして。
機械越しの相手に思わず満面の笑みでコクコクと頷いていた。
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