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少年は再び訊ねる。
本当なのかと。
自分で自分を疑う。
自分で自分を恐れる。
コーヒーに間接照明が反射する。
差し出されているコーヒーには一口も手を付けていなかった。
いつもなら店に入りいつものコーヒーを注文して、マスターの淹れたてのコーヒーを談笑しながらゆっくりと飲む。
だが今はそんな余裕はない。
何でって?
そりゃこの状況だ。
飲めるわけないだろ。
少年は再び嫌みの様に訊ねる。
「本当なのか?」
「あぁ」
マスターは無愛想に無表情でタバコを吹かしていた。
少年は自分の胸を抑えた。
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