ハイケイ

8/11
前へ
/11ページ
次へ
日曜日の大会が、最悪の結果となった。 「塁くんの右膝の半月板が、何らかの衝撃で、パックリとやられてますね。今後、運動は厳しいかもしれません」 自分は中学生だ。 競技生命が絶たれた、と言ってもそもそもスポーツ選手になるつもりではなかったし、平気なはずだった。 絶望的な気分で布団にこもると、ケータイが振動しだした。 メールだ。 『 ワタシガ、幸セニ、ナル番 アナタガ、不幸ニ、ナル番 』 何がこんなにも自分を痛めつけているのか。 もう部活が出来ない、という絶望か? 意味不明な恐怖に立ち向かうのには、尋常ならない勇気が要る。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加