水族館にて。

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「りっちゃんのバカ。」 「何?あいつらの方が馬鹿でしょ。」 「ううっ。デートなのに。甘くない。」 「私に甘さを求めるな。」 「ううっ。」 うじうじと私の手を握る将平は正真正銘のバカ男。 バカなカップルにあてられて、バカなことを望んでバカなことを言ったバカ男。 「泣きやみなさいよ、みっともない。ほらっ!」 「んぶっ。」 私は持っていた自分のハンカチで荒々しく将平の顔を拭く。 ごしごしと強くこすったのでちょっと目尻が赤くなったがまあいいだろう。 ハンカチをしまえば、もうすっかりご機嫌なバカ男。 「りっちゃんはなんだかんだ俺が大好きだもんね。」 「言ってろ。」 「えー?照れないでよー!」 「これが照れてるように見えるか?」 「うんっ!」 はい。 照れてます。 ばれたことが気まずくて私は将平の手を引っ張ってぐいぐいと歩きだした。 「す、すげえツンデレ。」 「う、うん。」 それを先ほどのバカップルがそんなことを言いながらこっそり見ていたのなんて知る由もない。 .
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