ある昼下がり。

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今は土曜のお昼。 彼氏である将平がうちに遊びに来ました。 そしてお昼を食べたのでソファに座って休憩している所。 将平はテレビを、私は雑誌を見ながら。 どうやらテレビで可愛い子犬特集とやらをやっており、それに興奮した将平が私に見てアピールをしてきたということ。 私は雑誌から一瞬目を離してテレビをちら見し、(棒読みの)返事をしたら、それがばれて将平が喚いているということ。 こいつは男の癖にデレデレしている。 顔は黙ってればカッコいいといつも言われているくらいイケてるのに。 今も半べそをかきながら私の腰に抱きついている。 ……雑誌が見れないじゃないか……。 「おい、雑誌が見れないでしょうが。離れろ。」 「いいいいいやだ!りっちゃんとラブラブしたい!」 「お前はテレビを見てるんだろ?私は雑誌を見てるんだ。邪魔するなら帰れ。」 「っ!……うわぁぁあああん!」 「泣けばいいと思ってるのかバカ男!」 「っぐすっ、ぐすっ、だって、だって、りっちゃんがぁっ!」 あーあー。 もうだめだこいつ。 諦めた私はとうとう泣きだした将平を思い切り引きはがしてキッチンへ向かう。 が、カルガモ親子のように泣きながらついてくる将平。 それを無視して私は冷蔵庫から水を取り出して飲む。 じっと見つめてくるバカ男にも水を渡してやると、嬉しそうに飲んだ。 あーあ。 結局は、こんなやつが可愛いと思ってる私も相当キテるな。 .
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