悠の秘密

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ついに凌の部屋へとたどり着く。 だが緊張してなかなかノックできない。 ー頑張れ私! てか、今更部屋に戻れないし! 意を決しドアをノックする。 ーいつもみたいにそのまま入るのは やっぱりダメだよね? しかし、何度しても反応はない。 ーあれ、もう寝ちゃったのかな? 舞香は仕方なくゆっくりドアを開ける。 そっと中に入ると 凌の静かな寝息が聞こえてきた。 ゆっくりとベッドに近づいていく。 案の定上半身裸で寝ている。 夏だからか腰にだけタオルケットをかけているので、さらに露出している。 ーでも、寝顔は可愛い。 普段無愛想な凌だが寝顔だけは刺はなく可愛らしい。 初めて見たわけじゃないのに 改めて見ると何だかドキドキしてしまう。 ーバレなきゃいいよね? 舞香はそっと凌の髪を撫でる。 起きてる時なら怒られてしまいそうだが。 舞香はそっと凌の頬にキスをする。 口にするには勇気が足りなかったけど。 まあ、したのはいいものの、すぐに照れくさくなって体を起こす。 ……事はできなかった。 突然目を開いた凌は 舞香の手を掴むと自分の方へと引き寄せたのだ。 「何してんの?」 そう言って眉間にシワを寄せる凌。 ーお、怒ってる……? 舞香は逃げようとするが手を掴まれているため動けない。 「何?逃がさないけど?」 そう言って凌は舞香をベッドの上へと引きずり込む。 「きゃっ」 そして、見事倒れ込んだ舞香の上に覆い被さる。 上半身裸だからだろうか、いつになく凌がエロい(存在が)。 「で、何してた?」 そう言って無表情に舞香を見下ろす。 ーや、やっぱり怒ってる? 舞香はオドオドしながら正直に答える。 「悠に、凌のとこ行ってこいって追い出されちゃって…… で、来てみたら凌寝てたから……その……」 「悪戯してみたくなったって?」 「そ、そうです……」 そう言って舞香が俯くと凌は大きなため息をつく。
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