悠の秘密

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「はっきり言って迷惑」 そう言って、無表情に舞香を見下ろす。 ー迷惑だったなんて…… 少し調子に乗りすぎたのかもしれない。 ーでも、仮にも彼女に向かって 迷惑だなんて言わなくてもいいじゃん…… そっちは沢山キスしてきたくせに。 舞香は泣きそうになる。 そんなに怒られるとは思っていなかった。 「ご、ごめんなさいっ……」 喉を詰まらせながらも謝る。 ダメだと思っているのに、どんどんと目に涙が溜まる。 そんな舞香の様子に凌は慌て出す。 「ちょ、舞香?泣くなよ……」 凌は困った顔をしながら舞香の涙を拭う。 「だって、迷惑って……ひっく…」 「あーそれは…… 俺が持たねぇてことだよ……」 「え?」 凌は呆れ顔で舞香を見る。 だが、舞香には意味がわからない。 「だーかーらっ 俺がお前を襲っちゃいそうになるってこと」 「えええええ!?」 そう言って、溜息をつく凌に 舞香は驚いて叫んでしまった。 「え、なんで!?」 「は?何でって…… 俺も男だし、好きな奴に寝込み襲われるとか我慢できねぇつの」 「お、襲ってなんかっ……!」 「ない……ことないだろ?」 と、にやっと笑いながら頬をつつく。 それを見て舞香は一気に顔が赤くなる。 ーはずかしい!やめとけばよかったっ だが、後悔先にたたず。 目の前の凌は既にスイッチが入ってしまっていた。 「お前のせいだから」 そう言って凌は舞香の額にキスを落とす。 「だ、だめ、まだ心の準備が……っ」 舞香が凌の胸を押す。 しかし、凌はにやっと笑ったままだ。 「今日はキスしかしねぇよ」 そう言って頬にもキスを落とす。 「りょ、凌……っ」 「何?」 舞香は抗議の目を向ける。 だが、それは逆効果だった。 「何その上目遣い、そそるんだけど」 そう言って次は唇にキスを落とす。 初めは優しく触れるだけ。 だが少しずつ激しくなっていく。 凌の唇が舞香の唇を弄ぶ。 「んっ……ぷはっ……ん!!」 舞香が唇が離れた隙を見て息を吸おうと口を開けると、空気と一緒に凌の舌が侵入してきた。 「んんっ」 凌の舌が、歯茎をなぞったかと思うと さらに奥へと入っていき舞香の舌を絡めとる。
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