有木直也の登場

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その頃凌もイライラしていた。 ー何なんだ。 俺に向ける笑顔と瑛に向ける笑顔が違ってた。 舞香が誰かに笑顔を向けてるのを見るとモヤモヤする。 舞香の気を自分に引きたくなる。 何なんだ、この理解できない感情は。 「…凌の周りは可愛い女の子でいっぱいだもんね!」 舞香が凌を睨みながら言う。 確かに凌の周りには女がよく集まる。 だが、そいつらには何の感情もわかない。 ー俺にも瑛に見せたような笑顔見せろよ。 どうすればいい? 「……あぁ、そうだよ。 可愛い女ばっかりだよ。」 しかし、凌は引くに引けず不本意な言葉を口にしてしまう。 ー…あぁ、やってしまった。 言うこと違うだろ、俺。 きっと舞香は怒ってる。 凌は恐る恐る舞香を見ると、何故か悲しそうな顔をしていた。 しかし、凌と目が合うと眉間にシワを寄せ怒った顔になる。 ーさっきの顔は何だ? 凌は理解できず眉間にシワを寄せる。 そんなふたりを見ていた瑛がついに仲介にはいる。 「まぁまぁ、ふたりとも、仲良くしなよ。」 「「無理。」」 「…お前ら本当に息ぴったりだよな。」 ー本当は気が合うんじゃない? 瑛は意地を張り合うふたりに呆れながら、未だに不機嫌なふたりを見る。 ー何か本当似た者同士だよね。 鈍感だし。 とりあえず瑛は この場の空気を変えようと試みる。 「何かしようよ! そういや、舞香プリクラ撮りたかったんじゃない?」 「あ、…撮りたい。」 「んじゃ、決まり! プリクラ撮りにいこう!」 そういって瑛は春輝と凌を引っ張りながら舞香とプリ機のある場所へと向かう。 「何でふたりともそっぽ向いてるの?」 プリクラを撮り終わり、現像されたものを見ながら舞香はボソッと呟く。 舞香と瑛だけが笑い、あとのふたりはそっぽを向いたり真顔だったり… ーでも、何かふたりっぽくていいかも。 舞香は大事に鞄へとしまった。 そのあとは、4人で射撃をしたり某太鼓ゲームをしたり… 何だかんだ楽しむことができて舞香は満足していた。 「次はみんなでこようね!」 「そうだね!」 舞香は次が楽しみで仕方なかった。
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