有木直也の登場

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「何でお前が春輝を勧誘する。 まず、春輝が総長の間は上層部に行くのは無理だと知ってるだろ?」 どうにか冷静さを取り戻し 凌が返答する。 そう、上層部には現総長は入れないことになっているのだ。 総長が居なくなり族の統率がままならなくなるのを避けるためだ。 「…ここは、総長が話すタイプじゃないんだね。ふーん。 そうだよ、出来ないのはわかってる。 だって僕、元は上層部の人間だもん。」 その言葉に舞香以外の3人は驚く。 直也が異例すぎて驚くことが多すぎるのだ。 「じゃあ、なんで総長になったんだよ?」 瑛が聞くと、直也は そんなのもわからない?と鼻で笑う。 「君たち光龍と接触しやすいから。 動きやすいからだよ。 春輝くんが総長じゃなくなれば、上層部につれていけるでしょ?」 そういって直也はにこっとわらった。 その笑顔は、笑っているのに人を恐れさせるような笑顔だった。 「お前…調子乗んなよ?」 凌は指の関節を鳴らす。 凌はかなりキレていた。 今にも直也に飛びかかりそうな勢いだ。 「あー怖いねぇ、君。 冗談だよー、落ち着きなよー。」 直也はあからさまにわざとらしく怯えた真似をする。 それが凌の神経を逆撫でる。 「てめぇ、いい加減にしろよ! 本来の目的を早く言え!」 キレる凌に 直也はわざとらしくため息をつく。 「あーもう煩いなぁ。もっと冷静な人だと思ってたのに。 仕方ないか。遊びすぎちゃったね んー、本来の目的?それはね… 舞香を返してもらうことだよ」
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