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…
舞香は凌と直也が話している間、
ずっと怯えていた。
ー私と直也の関係をバラされたらどうしよう…
舞香は気が気でなかった。
関係がバレたら
舞香がヤンキーとの関わりを持っていたと勘づかれるだろう。
その流れで龍帝との何らかの関わりを持っていると気付かれれば最悪だ。
そして、何より
直也に対する怒りを押さえるのに必死だった。
舞香は今すぐにでも掴みかかって、殴ってしまいたかった。
あの日からずっとずっと…。
でも、ここにはみんながいる。
その衝動を押さえきれなかったら…
自分が何者なのかバレてしまうだろう
それが怖くて仕方がない。
とにかく、この場から逃げたかった。
「…本来の目的を早く言え!」
凌が直也を怒鳴る。
直也は何と答えるのか…
「本来の目的?それはね…
舞香を返してもらうことだよ。」
舞香は頭の中が真っ白になる。
舞香はうつむく。
直也の視線から逃げるように。
からだが震える。
止まらない、止められない。
怖い、怖い、やめて、壊さないで。
舞香はそっと顔をあげる。
目線の先には
驚いた顔の3人と
ニヤっと笑う舞香の大嫌いな笑顔があった。
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