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タカセは布団に包まり、落ち着きを取り戻したが、寝付けなかった。
寝たらまたアイザワの顔を見ることになる。
その事を恐れて、これ以上眠れなかった。
スマートフォンを扱いながら時間を潰し、いつもの起床時間を迎えた。
タカセはいつも通り、朝の支度を済ませ、家から出た。
玄関を出てすぐ、タカセは足を止めた。
タカセの視線の先には、アイザワが立っていた。
見覚えのある洋服に、髪型に、顔。
アイザワの眩い笑顔が、タカセの眉間に皺を作った。
それに気付かないアイザワではなかったが、いつもの調子で話しだした。
「やっとタカセと向き合えた。タカセ、俺のこと忘れてないよね?」
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