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アイザワはタカセの返事を待った。
しかし、タカセは更に渋い顔を見せるばかりで、返事を返す気はないようだ。
アイザワはいつものように門を開け、タカセの元へ行こうとした。
その瞬間、タカセが怒りを混じらせた強い声で発した。
「来ないで!!」
その声でアイザワは門に掛けていた手を引っ込めた。
そしてタカセを見たが、タカセは未だに渋い顔を見せ続けている。
その威圧的な表情にアイザワは、自分が悪いことをしたような気がした。
大したことをしたわけではない。
彼にとって、当り前のことを当り前のようにしていた。
以前のタカセならば、照れたように笑いながら、自分を迎えた。
しかし今は、自分を拒んでいる。
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