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タカセの行動も空しく、この日もまたアイザワの出てくる夢を見た。
今回は、今までのように美しい風景ではなく、どこかの街中でアイザワが涙を流しているだけ。
タカセは夢の中でなら、言えなかったことを言えると思い、アイザワに近づいた。
タカセとすれ違う者の目が冷たく痛い。
自分を知っているものか?と過去に出会った人物を思い出してみるが、見覚えすらない者ばかり。
もしかしたら、バイト先で触れあった人かも、と思ったがここまで恨みを持たれるようなことはしていないはずだ。
タカセはすれ違う者たちの目を意識しないように、アイザワに近づく。
近づくにつれて、周りの者はタカセの体にわざとぶつかってくる。
人の波に揉まれそうになる。
そのまま流されてしまいそうになる。
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